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帰化の条件

帰化をするための要件(法律上の条件)は、『国籍法』という法律で規定されています。


この国籍法自体は、条文数全20条の比較的短い法律なのですが、
帰化には国籍法だけではなく、他にも
民法や戸籍法、入管法、税法等、非常に多くの法律が関わってきます。

そのため、帰化申請に際しては国籍法を中心に各種関係法令を正しく理解し、

要件の確認や資料の収集・作成を進めることが何より重要です。



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また、帰化は法務大臣が許可するものですが、
★条文上、法律で定められた条件を備える外国人「でなければ」
帰化を許可することが「できない」とされています
(国籍法第5条柱書)。

 

つまり、国籍法上の条件をクリアしていない限りは、
たとえ法務大臣であっても許可することは「できない」
のです。
また同時にこの規定は、裏を返せば、

条件をクリアしたからといって、必ずしも許可されるわけではないということも意味します。

 

 

 

◆帰化を申請するに際して最も基本となる要件は、下記のとおりです(国籍法第5条)。



1、一定期間、継続して日本に在留していること(在留の年数要件)


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<原則>
引き続き5年以上、日本に在留していることが必要です。

※5年のうちに、「就学ビザ」または「留学ビザ」の期間がある場合は、
3年以上、就労ビザで在留していることも必要になります。

 

<緩和要件>
下記に該当する場合は、在留の年数が緩和された要件が別途定められています。
(国籍法第6条~8条)

「特別永住者」の方は、一般的に以下の緩和要件に該当する場合が多いです。

 

①日本国民であった者の子(養子を除く)で、引き続き3年以上、日本に住所または居所を有する者(国籍法第6条第1号)

②日本で生まれた者で、引き続き3年以上、日本に住所もしくは居所を有し、
 または、その父もしくは母(養父母を除く)が日本で生まれた者

(国籍法第6条第2号)

③引き続き10年以上、日本に居所を有する者(国籍法第6条第3号)

④日本国民の配偶者たる外国人で、引き続き3年以上、日本に住所または居所を有し、
 かつ、現に日本に住所を有する者(国籍法第7条)

⑤日本国民の配偶者たる外国人で、婚姻の日から3年を経過し、
 かつ、引き続き1年以上、日本に住所を有する者(国籍法第7条)

⑥日本国民の子(養子を除く)で、日本に住所を有する者(国籍法第8条第1号)

⑦日本国民の養子で、引き続き1年以上、日本に住所を有し、
 かつ、縁組の時に本国法により未成年であった者(国籍法第8条第2号)

⑧日本の国籍を失った者(日本に帰化した後、日本の国籍を失った者を除く)で、
 日本に住所を有する者(国籍法第8条第3号)

⑨日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者で、
 その時から引き続き3年以上、日本に住所を有する者(国籍法第8条第4号)

 


2.年齢が20歳以上であって、かつ、本国の法律によっても成人の年齢に
達していること


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※上記④~⑨に該当する場合は、この要件は免除されます。



3.素行が善良であること

 
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日本の法律やルールを守って生活できているかどうかがポイントになります。
たとえば、犯罪に関与していない、納税義務を果たしている、交通違反を犯していないなどが挙げられます。
重度な交通違反・犯罪歴がある場合、5年以上の期間を置いてから申請しなければならない場合もあります。

★最近では「年金」に加入し、保険料を納めているかも重要なチェックポイントとなっているため、注意が必要です!
2012年以降、年金未加入者は原則として許可されなくなっております。
事前にご自身の加入状況を確認し、必要に応じて市区役所窓口や年金事務所等にご相談されることをお勧めします。

 


4.独立した生計を営むことができること

 
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申請人本人または配偶者などの親族の収入や資産で安定した生活を送ることができることが必要です。
無職の場合や、生活保護などの国の援助を受けている場合は、許可が難しくなります。
また、会社経営者の場合は、会社の経営状態についてもチェックされますので、決算状況が良好であることが望ましいです。

将来の生活のために十分な貯金があるかどうかも審査対象になります。

具体的にいくら以上必要だという基準は存在しませんが、ご自身の収入や扶養状況、在留歴等を鑑みて、

現在及び将来において公的負担にならないことが証明できるだけの額は求められてくるでしょう。

 

※上記⑥~⑨に該当する場合は、この要件は免除されます。

 

5.国籍を有しておらず、または、日本の国籍を取得することによってその国籍を失うこと

 

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日本国籍を取得するためには、原則、母国の国籍を離脱する必要があります。
ただ、例外として、外国人がその意思にかかわらずその国の国籍を失うことができない場合には、
日本国民との親族関係又は境遇につき特別の事情があると認めるときは、
この条件を備えていなくても帰化が許可になる場合があります(国籍法第5条第2項)。

 

6.日本国憲法を遵守していること

 

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日本の政府を暴力で破壊することを企てたり、主張するような者や、
そのような政党や団体を結成したり、加入しているような方、
たとえば、反政府組織や暴力団組織等の関係者は帰化が難しくなってしまいます。
申請者本人だけでなく、身内にそのような関係者がいる場合にも審査に影響してしまうケースがあります。

 

 

【その他】

 

上記1~6の主な要件以外にも、重要なポイントをいくつか紹介します。
冒頭でもご説明したとおり、帰化は国籍法上の条件をクリアしたからとって必ず許可されるわけではありません。

そのため、下記のような審査実務面でもポイントも押さえておくことが重要です。 


◆在留の年数要件の中に、長期の出国歴がないこと

目安として、1年間のうちに連続して3ヶ月以上、もしくは合計して150日以上の出国がある場合、

国籍法上の「引き続き」(継続性)という条件を満たしていないとして、在留年数がリセットされてしまう可能性があります。
ただし、事情や頻度・日数によっては説明や立証でカバーすることができる場合もあります。

 

◆ある程度の日本語能力があること

高度な日本語能力は必要ありませんが、日本国への定着性という観点から、
一般的に日本の小学校3~4年生レベルの日本語理解力は求められます。
申請する法務局や担当官の判断によっては、申請時や面接時に日本語テストを実施しているところもありますので、
特に読み書きに不安がある方は、日頃から少しずつ勉強されておくことをお勧めします。
当社では、事前に独自調査も基づく日本語テストのサンプル問題もご用意しております。

 

◆同居家族のうちで、申請をしない人がいる場合

必ずしも家族全員で一緒に申請しないといけないわけではありませんが、
前記と同様、日本社会への定着性という観点から、同居家族のうちで申請しない人がいる場合は、
申請しない事情や今後の生活予定等について、慎重に審査される傾向にあります。

★最近、このような申請事案が増えてきているため、今後の審査動向に注目したいところです。

 

2024.11.21 Thursday